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課題図書 2026 ── 中学校の部

『君の火がゆらめいている』で
読書感想文を書く

「困っている人を助けるのは当たり前。でも、いつも私が我慢しなくちゃいけないの?」──正しさと自分の幸せが衝突するこの物語は、中学生の2,000字に必要な「考える材料」を豊かに持っています。読みどころと書き方をまとめました。

名著探究 編集部 | 2026年6月11日

君の火がゆらめいている 書影
中学校の部

君の火がゆらめいている

落合由佳 作/講談社

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どんな物語か

発達障害のある双子の姉を持つ葉澄(はすみ)は、姉の通院や生活を手伝うのが当たり前の毎日を送る「きょうだい児」です。何かを諦めるたびに、胸にたまっていくモヤモヤ。同じ立場の仲間との出会いを経て、「助けること」と「自分を犠牲にすること」の境界に向き合い、自分の未来を考え始めます。きょうだい児支援に取り組む弁護士が監修した、誠実な作品です。

この本の読みどころ

「いい子」でいることの息苦しさ

きょうだい児という言葉を初めて知る人も多いはずです。しかし葉澄の葛藤は、きょうだい児だけのものではありません。「期待に応える自分」と「本当の自分」のあいだで揺れる経験は、ほとんどの中学生が持っています。部活で、家庭で、友人関係で──「いい子」でいることに疲れたことがあるなら、この物語は自分の物語です。

「優しさ」を疑ってみる

葉澄は優しい。でも、その優しさは選んだものか、強いられたものか。「正しいこと」と「自分の幸せ」がぶつかるとき、人はどうすべきか。この問いに簡単な答えはありません。だからこそ、2,000字を書くに値するテーマになります。

個人の物語から、社会の問題へ

ヤングケアラーという社会の仕組みの問題へと、視野を広げて書ける物語です。「場面の感想→社会の問題→自分の生き方」と階層を上げていく構成が取れるため、中学生の字数規定2,000字を、水増しではなく中身で満たせます。

考えを深める3つの問い

対話の種

「葉澄は優しいのか。それとも、優しさを強いられているのか」

「助けることと、自分を犠牲にすることの境界線はどこにあるか」

「『いい子』でいることに疲れたことはあるか」

1つ目の問いは、本文から根拠を引用して論じる練習にそのまま使えます。主張に根拠を添える──2,000字の感想文に説得力を与える基礎体力は、この問いで鍛えられます。

2,000字の感想文にするには

中学校の部の字数は本文2,000字以内(原稿用紙5枚)です。中学生には、感想の羅列ではなく「問いを立てて答える」構成をおすすめします。

序論(約2割)自分の問いを立てる。例:「優しさとは、誰のためのものか」。本との出会いもここで。
本論(約6割)心が動いた場面の引用と分析 → 自分の経験(役割と本音のずれ) → 社会の問題(ヤングケアラー)への視野。
結論(約2割)序論の問いへの、いまの自分の答え。読後に考えが変わった点を正直に。

注意したいのは、社会問題の解説に紙幅を使いすぎないことです。読み手が知りたいのは制度の説明ではなく、あなたがどう考えたかです。詳しい手順は読書感想文の書き方 ── 5つのステップをどうぞ。

名著探究 夏期特別講座

『君の火がゆらめいている』を、仲間と5日間で。

中学生クラスはこの本を課題図書に、対話しながら読み切り、最終日に学校へ提出できる読書感想文を書き上げます。各クラス6名のオンライン読書ゼミです。

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